迷走とヱヴァと(前編)
自分が普段行かないところとかに出向くと、大抵厄介な事になって、おまけに妙なミラクルを起こしたりすることがよくあります。
―――ヱヴァを観に行く。
公開二日目あたりから、ふつふつと湧き上がってきた衝動。
自分がえらく信望している奈須きのこの日記を見てなのか、ニュースサイトで取り上げられるヱヴァの記事の多さ、日参するサイトの取り扱うヱヴァ感想、並びにmixiのマイミクさんのヱヴァ視聴率……
時に九月三日、午後八時前。ふと、
「ヱヴァを観よう、レイトで」
大阪キタ、まんだらけ店内の話である。
バッカーノ!2001とカオス・レギオンを手にレジへ向かう。会計の時、
「あ、財布に万札入れてない」
あなや、手元に残っていた身銭は、バッカーノとレギオンを返上してもレイトショーを観ることを赦さなかった。無情にも。
出鼻を挫かれ、一気に萎えたヱヴァ熱は、二週間を経て再び自分を劇場まで運ばせた。
本日、11時起床。
適当に身支度を済ませて、いざなんば。
普段は自転車を漕いで行く所を、今回は地下鉄利用。回数券の期限がいい感じに圧迫してるので使ってしまおうという側面があったのは内緒の話だ。
車内でバッカーノ!1934完結編に取り掛かりながら、二十分程度揺られ、なんばに到着。二週間で五冊読みきった事実についてはこの際無視していただきたい。
改札を出て、その足でパークスへ向かう。はてさて、劇場はどこだったか―――記憶を頼りにパークス内を闊歩。む、公開中の映画のポスター。流し見……
あれ? ヱヴァなくね?
呆然。いや、待て、ヱヴァだぞ? T28さんの日記によれば、ほんの一週間程度前まで立ち見を強いられても仕方ないと思わされる、公開してまだ二週間ちょいの、大阪では一発目で700人の行列が出来たヱヴァだぞ……!?
携帯を取り出して、一心不乱に操作。
「映画 goo なんば」検索ワードを入力してググるカス。
あれ? どこにもなくね?
足をポン橋に向けながら、調べている途中に母から電話。
「いまどこにおんのー?」
なんばですとも。
「ヱヴァは梅田でやってるよ。シネ・リーブルってトコ」
ちょっと待ってください貴様! 下調べしてねえ俺死ねよ!! どこでもやってると思ってた。立ち見フラグを心配してたのに、こんな根本的な部分で躓くとは想像もしてなかった。
「……で、シネ・リーブル? ってどこ?」
「ヨドバシの近く。ツインビルのすぐ近く」
「はあ……」
ツインビル……はてさて。
気を取り直して、検索再開。
「映画 goo 梅田」―――
あれ? なくね?
訝しみながらも腹ごなしに吉野家で簡単にブランチを終え、御堂筋線で梅田へ。
ツインビル……ツインって言われたら京橋のツイン21くらいしか思い出せない。
ツイン→ツインテ→(;´Д`)ハァハァ→軌道修正→ツイン→双子→丼(;´Д`)ハァハァ→軌道修正→П!
紆余曲折ありながら、アソコへ向かう。徒歩で。自転車に乗ってくれば良かった……今日こそ思った日はない。
いつの間にか道路が開発されたせいか、えらく遠く感じる。
が、アソコは結構リーマンが通勤するのを見かけるのだが、果たして交通の便は悪くはないだろうか等と考えながらも足をしばきたおす。
ただ、道中、懸案事項があった。
アソコって確かツインビルって名前じゃなかったと思うんだが……
もう何度目になるか、携帯を開き、ナビウォーク起動。ほんと、携帯は便利になったと思う。
現在地確認。できるだけ拡大。目標の方向にカーソル移動。でてきた文字は―――
スカイビル
うん、わかってた。薄々と。現実みないようにしながらも、半ば確信してた。確認した。……。うぼぁー、
もういいや、今日は諦めて、せめてあそこ行って休憩しよう。
ちょっと優雅な気分に、座ってバッカーノ!読むんだ……ははは………………ハァ
途中、なんかオタくさい連中を見かける。
興味津々、と言った具合にスカイビルを撮る撮る。
どんどん人が多くなるので、はて、なにかあるのかしら? と行って見る。
あー、メキシコフェア?
タコスやらメキシコビール、民族衣装などの設営テント屋台がズラリ。インフォに行き、何かもらえるだろうかと乞食に行くと、メキシコ映画情報のパンフを貰う。嬉しくねー。
中央にはステージが設置されており、何やら音楽が流れているが、スルー。
とりあえずビル内に入って、映画館があるか無いかの確認。脇に人体模型博覧会だかなんだかやってた気がするが、多分気のせいと当然スルー。
東館確認――目標、ナシ。
西館確認――目標、ナシ。が―――なんか、イケメン兄ちゃん二人が肩を抱いて2カメに視線送ってる絵をご披露してるのですが……見ると、
「Japan Illustlation Festival」とやらが開催されているらしい。ジャパンというくらいだから、流石にウホ絵だけじゃないだろう……そんなこと考えていた時期が俺にもありました。と言った具合に、オタとして確認するべきだと出陣。
人の多さに入場制限食らった。
入り口から見える限り、いのまた絵やシャッフルの人など、中々萌え絵も用意されている模様。
三十分ほど、入り口で往生し、いざ入館。
入り口にある絵師紹介でいのまたむつみだけでなく、てぃんくるやTONY、あとひびき玲音が出展しているようで、興奮度急上昇。
あづみ冬留、ひびき玲音、てぃんくる、TONY、原哲夫、いのまたむつみ、天野喜孝などの絵を堪能。
あっあっ、蒼黒の追憶の表紙三連続が! うををっ、北斗の拳! TONY絵はけしからんなぁ……! エヴァ絵じゃん!(岡崎版)もう今日は満足だよ!
そんな事を思いながらダラダラ一時間ほど穴が開くまで鑑賞。値段が書いてありましたが、六桁とかね……そこまでいくと酔狂ですよ……
もう今日は帰るか……明日、心斎橋に行ってヱヴァ観よう……そう思い、mixiにアクセスすると、出雲君の更新日記に「今日、エヴァ見に行くぜ!」の文字が。
本文には梅田の文字が。早速検索エンジンに劇場の名前を突っ込むと、場所ココじゃん!! うろちょろしてると、何とか劇場、見つかる。
さっそく劇場に足を運び――17時半、立ち見です。19時半、立ち見です。現在時刻、16時過ぎ。
仕方が無いので、レイトショーのチケットだけ購入していったん家に帰宅。
―――と、区切りがいいですし、あとこんな時間なので今日はここまでで。
明日死んでも感想書く!
その前に、コレだけはいっておきたい。
自分がアニメでも漫画でも小説でも、本当に心から何かクル時、決まってこの一言を叫びたくなります。
ただ純粋に、
―――凄い、と
ヱヴァンゲリヲンは、まずそういう作品です。
余談ですが、自分の購入したチケットの整理番号が102番。店員さんに訊く所によると、あと13枚で座れる場所がなくなってたそうです。
何か文体がめちゃくちゃだ……こんな時間のせいにしよう……