とりあえず

 『ぶろーどかーる
 まとめをやってみた。
 ◇新ジャンル「令嬢過ぎ」
 浅窓さん大好きなせいか、思わず。
 ハードルたけー。難しいです。でも中々面白い。続きます。

 ◇さよならピアノソナタ ☆☆☆☆★
 やばい、これは今年読んだ中で最高クラスの青春小説かも試練。
 杉井光はこういう切ない小説書くの上手いなあ。
 自分は音楽に関して造詣が深いわけではないので、作中に出てくるクラシックやロックミュージックに関してなど、音楽家の名前やアーティストを幾つか知っている程度の知識で、例えばなんちゃら曲何番と言われてもさっぱりな人種です。大半がそうでしょうが。
 そこらへんの補足的な意味として、作者の杉井光のブログ曲がようつべで聴けるようにリンクがしてあるのですが、それとは全く関係なく。
 その文章で雰囲気が伝わってくるというか、その気配を感じ取れるような錯覚をおこします。
 
 話は少しずれ、また記憶も少々おぼろげですが、ベテラン作家・笠井潔の、
「小説の中で、だれでも書けるのは戦闘とセックス」
 という言質があります。また後述に、「だれでも書ける故に、その作家の実力が一番出る」とも。ヴァンパイヤー戦争の九鬼のことについての話だったと記憶しています。
 ライトノベル界隈でセックス云々は置いておいて、戦闘描写の多さは実に顕著です。また、作家によってその面白さは千差万別。上手いものもあれば、よく分からん描写を書く人もいます。
 自分もこの言にそれなりに納得しており、また、常々『普通に一番難しい描写は何だろう』というテーマで考えたりします。
 そんな時、最終的に出てくる答えは、音楽や美術など、芸術に言及する描写でした。
 単に言葉を重ねて、それがいかに素晴らしいものかを描写するのであれば、慣れと経験と読書量でカバーできると思うのですが、真にその気配を感じさせる『本物』を書くことは、非常に難しいんではないだろうか、と。
 個人的にこの作品は、その一端を魅せてくれてるんじゃないかな、とそう思えるような作品でした。
 全力でオススメ。

さよならピアノソナタ (電撃文庫 す 9-6)さよならピアノソナタ (電撃文庫 す 9-6)
(2007/11)
杉井 光

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